記念日に花さえやれず
夢もげ落ちてうろたえる
細く変わらぬ背(せい)恋し
あとの祭りを文へ詠む
きねんひに はなさえやれす
ゆめもけおちて うろたえる
ほそくかわらぬ せいこいし
あとのまつりを ふみへよむ
母の古稀祝い
母の古稀に、我が放蕩を悔いる歌。色紙に書をしたため、胡蝶蘭の絵を添えた。「記念日に花さえやれず」、そのままである。面目なし。
母は最近、私が幼稚園生の頃に描いた母の絵を古いダンボール箱から見つけ、懐かしんだばかりとおどけた。40年経っても、まるで進歩していない。「色紙の花は枯れないからね」。笑えぬ無邪気さというものだろう。(2008/12)
コメントをお書きください